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09月09日-04号

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  1. 宮古市議会 1998-09-09
    09月09日-04号


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    平成10年  9月 定例会          平成10年9月宮古市議会定例会会議録第4号第4号平成10年9月9日(水曜日)---------------------------------------議事日程第4号 日程第1 一般質問        8番 平沼  健君 ・森林・林業振興について…………………97        7番 沢田  勉君 ・農業集落排水事業について……………103       21番 永浦 奎輔君 ・農業振興と冷害、災害対策について…103                  ・林業振興について                  ・水害対策について       27番 大久保 博君 ・旧宮古病院跡地利用について…………113                  ・都市景観について                  ・観光振興について---------------------------------------本日の会議に付した事件 上記日程のとおり出席議員(28名)   1番   千葉胤嗣君           2番   田頭久雄君   3番   三上 敏君           4番   中嶋 榮君   5番   山口 豊君           6番   近江勝定君   7番   沢田 勉君           8番   平沼 健君   9番   蛇口原司君          10番   中野勝安君  11番   佐々木武善君         12番   工藤 勇君  13番   中里栄輝君          14番   竹花邦彦君  15番   岩間 久君          16番   松本尚美君  17番   岩間 弘君          18番   城内愛彦君  19番   山野目輝雄君         20番   千束 諭君  21番   永浦奎輔君          22番   野沢三枝子君  23番   田中 尚君          24番   山崎時男君  25番   成ケ沢仁明君         26番   坂下正明君  27番   大久保 博君         28番   前川昌登君欠席議員(なし)---------------------------------------説明のための出席者  市長       熊坂義裕君       助役       小原富彦君  収入役      長門孝則君       総務企画部長   鈴木英夫君  総務課長     佐々木岩根君      企画調整課長   細越雅佐浩君  生活福祉部長   吉田 武君       地域福祉課長   岡田光彦君  財政課長     西野祐司君       教育長      中屋定基君  教育次長     鼻崎正亀君       産業振興部長   松田辰雄君  商工観光課長   宇都宮 満君      都市整備部長   伊藤行雄君  建設課長     鈴木健市君       農林課長     浦野光廣君  都市計画課長   三浦 章君       消防防災課長   野澤正樹君  農業委員会           腹子哲男君       監査委員事務局長 刈屋敏彦君  事務局長  水道事業所長   菊池淳雄君---------------------------------------議会事務局出席者  事務局長     田鎖勇平        事務局次長    坂本邦雄  議事係長     山口 周        速記員      駒井和子 △開議              午後1時01分 開議 ○議長(蛇口原司君) ただいままでの出席は28名でございます。定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。--------------------------------------- △日程第1 一般質問 ○議長(蛇口原司君) 日程第1、一般質問を行います。順次質問を許します。 8番、平沼健君。             〔8番 平沼 健君登壇〕(拍手) ◆8番(平沼健君) 私は、平成10年度9月定例議会に当たり、質問通告に従って質問させていただきます。 森林・林業振興についてお尋ねいたします。 昨年、宮古振興局及び市農林化の努力により、久慈・閉伊川流域活性化管理システムが2市4町7村から成り、平成19年3月までの10年間の計画期間でスタートしているところでございます。 この久慈・閉伊川流域森林面積は、国有林、民有林合わせて33万 1,000ha、その蓄材積は 4,057万 1,000m3で、岩手県全体の中でそれぞれ28%、36.5%を占める大規模流域でございます。 この流域活性化管理システムは、国産材時代の到来及び国民的に自然に親しみ、環境に配慮し、国有林と民有林が一体となって森林経営を実践する、こういう趣旨で設立され、現在運営されているところでございます。しかしながら、現在の林業経営は、木材価格の低迷、山元の過疎化、高齢化、そして担い手不足等、従来にも増して厳しい状況に置かれております。反面、森林・林業に対する期待は、木材の供給、国土の保全あるいは水資源の涵養のみならず、特に最近は豊かな自然環境としての森林の保存、育成等高度化しております。森林・林業の果たす役割は、ますます高まってきております。 そこで、宮古市の場合は森林面積が約2万 9,400ha、民有林率が75.5%、畜材積が 439万m3、民有林蓄材率が79%となり、針葉樹、広葉樹が約半々となっておりますが、この閉伊川流域は針葉樹でも赤松が多く、次いで杉、カラマツが占め、大きな特色をなしております。そういう環境の中にあって、保有山林規模は5ha未満が全体の72%を占め、小規模林業家が圧倒的に多い。このことは木材価格の低迷、諸経費の増加等、市況の変動に極端に弱く、経営意欲を低下させ、森林施業の停滞、山村過疎化等となり、各方面に大きな影響を与えているところでございます。 このような中で、今後、閉伊川流域の森林・林業の持続的な発展を図るためには、流域が一体となって森林の持つ豊かな機能との調和を保ち、多様な森林づくりを進め、この流域の豊かな森林資源をもとに、生産、加工、流通に至る県産材、地域材の安定供給体制を具体化する必要があります。 そこで、活性化実施計画書の中に記されている活力ある地域林業の確立のための具体策として、川上と川下に分けてそれぞれお尋ねをいたします。 まず、川上の1番目でございますが、林業労働力についてでございます。林業事業体数及び従事者数は年々減少しております。特に新規参入者が少なく、このような状況で推移すると森林の適切な管理、木材の安定供給を図っていく上で深刻な影響を及ぼしかねません。この林業担い手の確保、育成をどう進めていくのか。 さらに2番目といたしまして、森林の多目的機能に対する要請が大きくなっている状況の中、複層林施業天然林育成、広葉樹の造林など公益的機能の発揮を図っていくために、林道、作業道整備を実施しなければならないわけですが、その際、自然環境との調和をどのように図りながら進められるのか。 また、3番目といたしまして、当流域内の素材生産量は需要の変化や価格等の変動により過去6年間、国有林材民有林材とも減少し続け、平成2年の指数を 100とした場合、平成7年度で26.6まで減少しております。この現状を踏まえ、これからの外材との競合に勝ち抜きながら、また産地間競争の激化の中、素材の安定供給体制をどう確立するのか、お尋ねをいたします。 さらに、川下では木材の需要拡大についてでございます。年々木材のよさが見直されてきております。くい、あるいは河川の擁壁等土木工事や構造材、内装材等住宅建築にも多く利用され出しております。このことは、木材は環境に優しく、人間生活に潤いを与えるすぐれた素材であるからです。このすばらしい地域木材の需要を拡大するための具体的案をお尋ねいたします。 さらに、除間伐の実施率向上と間伐材の有効利用についてです。優良材の生産のためには一層の間伐、保育等の整備を地域全体で積極的に進め、安定的な林業経営を目指し、森林の公益的機能の維持を図る必要があります。 閉伊川流域は急傾斜地が多く、間伐、保育の実施に経費がかさむため、各種補助制度の利用や作業委託を進めているやに聞いておりますが、除間伐の実施率はまだまだ低いわけです。川上にはそれなりの補助がなされていますが、川下には補助なしという現実を踏まえながら、現在、間伐が必要な森林でありながら思うように間伐が行われず、間伐されても約半分以上が林の中に放置されております。この流域でも人工林のうち手入れが必要な森林が70%以上ありますが、木材価格の低迷や経営コストの上昇による採算悪化などにより間伐が進んでおりません。このような厳しい状況の中、除間伐実施率の向上を今後具体的にどう進め、また間伐された一定品質の材を川下に利用させるにはどのような手法で進めていこうとしているのかお尋ねをいたします。 以上、壇上からの質問を終わります。(拍手) ○議長(蛇口原司君) 松田産業振興部長。             〔産業振興部長 松田辰雄君登壇〕 ◎産業振興部長松田辰雄君) 森林・林業振興についてお答えをいたします。 林業の担い手対策につきましては、県、市町村、林業関係団体が出捐し、平成3年度に設立された財団法人岩手林業労働対策基金の基金36億円の運用益で、就労条件の充実や改善を促進するための社会保障制度の適用拡大や若年労働者の新規参入を促進するための雇用奨励金の交付など、林業事業体を助成、支援しているところでございます。当市でも造林事業協同組合などが助成を受けているところであります。 林道、作業道の整備につきましては、当市が計画し施工する林道、作業道については、自然環境と調和がとれるよう設計施工しているところでございます。また、森林所有者などが木材搬出用に開設している作業道は、開削面積が1haを超える場合には、森林法の林地開発許可制度自然環境と調和がとれるよう指導しているところでございます。 素材の安定供給体制の確立については、地域林業の担い手である素材生産業者の育成が急務でございます。とりわけ森林組合素材生産システムの効率化を図り、生産コストを低減するため昨年度、グラップル、プロセッサーなどの高性能林業機械を導入し、本年度フォワーダの導入を図りながら素材生産システムの効率化を推進する予定でございます。 木材の需要拡大につきましては、市町村などが建築する公共施設で県産材を使用し、県産材のよさを広く普及宣伝しながら、一般住宅での県産材の利用促進に努めているところでございます。しかし、住宅建設者が求める建築材を安定的に供給できない状況にもあることから、川上から川下の関係者が一体となって木材の安定供給体制の確立に取り組む必要がございます。 なお、当市におきましては木材のPR活動として、黒森触れ合い館で木工教室を開催し、児童・生徒に対しても木材のよさや森林・林業に対する理解を深めてもらうよう活動展開しているところでございます。 当市には間伐の必要な人工林が約 4,000haあり、平成4年度から9年度までに約 1,200haの間伐が行われてきたところでございます。しかし、実施率は25%と依然低く、森林の持つ広域的機能の高度発揮が懸念される状況となっております。このため、本年度から水土保全森林緊急間伐対策事業を導入するとともに、市単独事業でかさ上げ補助し、間伐の促進を図ってまいりたいと存じます。 間伐材の利用につきましては、建築用材への利用のための技術開発が各方面で行われてきましたが、強度の低い小径木が主体であるため、施工が複雑で普及しがたい状況にございます。このため間伐材の大部分が梱包、運送用資材、くい、チップなどの低位な利用にとどまっております。このような中で議員ご案内のとおり県産カラマツ材については、岩手県合板事業協同組合が合板用の単材生産を、川井村のウッディかわいが集成材加工を進めており、間伐材の高度利用が促進されるものと期待をしております。 当地域の間伐材利用の障害となっております搬出費用に経費がかかり、森林所有者の手元に利益が残らないという現状や、計画的、安定的に間伐材を供給できないという課題を克服するため、林道、作業道の計画的な整備と素材生産業者の育成、素材生産システムの効率化などを推進していく必要があると考えているところであります。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 平沼健君。 ◆8番(平沼健君) ただいまご答弁いただいたわけですが、宮古市の森林整備計画というものはスタートしたばかりでございまして、これから10年かけて行っていくということなわけです。それで、これからの問題といいますか、なお一層そういう方向で努力していただきたいと考えているわけです。また今回、宮古市としてISO 14001という認証を取得するということなわけでして、これも1つは地球環境保全という大きな課題のもとに本当にすばらしいことを始めるわけでございます。 端的に言いますと、植林あるいは間伐されて実際に木材が間伐されても、なかなか川下に利用されていないという実態があるわけです。これは今のご答弁にありましたように、やはり収支的に合わないと。切るだけは切って、山のあるところまでは運んでくるけれども、それ以降、川下まで持っていって、それを利用してもらうだけの収支が合わないということが根底にあるわけですね。それともう一つは、非常に労働条件が厳しいと、そういういろいろな要素があると思います。 そこで、我々川下にいる人間というものは、やはり川上の森林の恩恵を受けているわけでございまして、過去にも先輩議員が水道料金に10円か20円かオンして、それを川上の支援に使ったらどうかというような、そういうニュアンスの発言等もございました。私も何かしら我々が日常利用している水資源にいたしましても、やはり川上の支援といいますか、そういう支援方策というものを考えるべきではないかと感じますが、いかがでしょうか。 ○議長(蛇口原司君) 松田産業振興部長。 ◎産業振興部長松田辰雄君) 先ほどの水道料金の上乗せの話は、私が聞いている範囲では、水道水源の確保の涵養林のために水道料金に上乗せをして、川上の森林を守っていこうという趣旨の話であったのかと。議員おっしゃいますとおり間伐材をやっても、例えば1回から3回間伐するわけでございますけれども、3回目にして大体カラマツで搬出と販売の価格で15万ぐらい赤字が出るという実態がございます。この部分がもし国なり県なりの制度があるのであれば、これもまだ促進される部分が若干あるかとは考えますが、今のところそういう制度がまだ確立されていない。当然財源的なものもございますが、作業道が小まめに森林内に入っていくということが今後も重要なのかと、そう考えているところでございます。 ○議長(蛇口原司君) 平沼健君。 ◆8番(平沼健君) 水道料金云々というのは例えばの話で今お話ししたんですけれども、そういう水道料金ということ以外にも何か川上を援助するようなものを将来考えていくべきだと私は考えるわけでございます。 それはそれにいたしまして、ただいまお話がございましたけれども、川上に対する補助金ですね、これは査定係数とか補助率というのがあるそうでございまして、これは立木の種類あるいは地域によって補助率とか係数が大分変わってくるようです。あるものは85%は補助金が川上には出るんだと、だけれどもなかなかそれでも間伐が進まないという現実がここにあるわけですね。今お話がありましたけれども、これは宮古市の問題ではないと思うんですが、全体的な県あるいは国、林野を含めた将来の日本の森林ということを考えれば、やはり川上から川下まで通した範囲で考えを進めていかざるを得ないといいますか、そう私は思いますが、補助金についていかがですか。川下についての補助金というのは、今はなかなかそこまではないということなんですが、であれば、この流域全体として、宮古市として何か考え方があればお聞かせいただきたいんですが。 ○議長(蛇口原司君) 松田産業振興部長。 ◎産業振興部長松田辰雄君) 制度がということでございますが、なかなかこの部分での国・県、当然先ほども申し上げましたとおりないわけで、宮古市単独ということでの補助を立ち上げるというのは非常に難しいと。久慈・下閉伊の広域等も同じだろうと思いますが、今後そういうものができるのか、どういう形でできるのか、研究はしてまいりたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 平沼健君。 ◆8番(平沼健君) 市長にお尋ねをいたします。 最近私、新しくでき上がりつつあります花輪小学校を見学させていただきました。昔といいますか、一時的なああいう建物に比べて大分木材が使われているなという感じは受けました。大断面、集成材が使われたり、あるいは内装材に木質系統のものが使われております。ただ、それでもまだまだ木材の利用の仕方というものが少ないように感じたわけでございます。特にああいう学校とか病院あるいは老人の施設、高齢者の施設、特にそういうものには人間に優しい感じを与える木材の利用というものがもっともっと図られていいのではないかという感じを受けております。どこの地域でも一緒なんですが、地域振興ということが盛んに言われておりますが、やはり地域振興というのは宮古の場合は木材が結構多いわけでして、それに付随する産業、製材あるいは家具、そういうものがたくさんつくられておるわけですね。ですからやはり地域振興というものはあくまでも地域で出るもの、とれるもの、生産されるもの、それをまず最優先に地域が利用するということが地域振興ということではないかと思いますが、市長いかがですか。 ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。 ◎市長(熊坂義裕君) 私も平沼議員と同じ考えを持っております。花輪小学校を今建築しているわけですけれども、なるべく木を多用していただきたいというふうに私も現課の方にお願い申し上げた経緯もございます。また、これから市でつくる建物におきましては、人に優しいということを考えますと、当然木材を多用するような建物にしていただきたいと思っております。次につくります千徳のデイサービスセンターにつきましても、なるべく優しいということで木を多用していただきたいというふうにお願いをしております。 宮古市としましても木材業は基幹産業でございますので、いま議員がおっしゃったように地元のものをなるべく多く使うのが筋ではないかと、私もそのとおりと思っておりますので、できる限り行政が積極的にそういった木材を利用する、あるいは市民の方にもそういったことをお願いする。また間伐材につきましても知恵を出して、例えば山口川も少し浄化に向けて整備をしているところですけれども、そういったところに使えないかとか、いろいろなことで知恵を出し合って地場産業を支えていくという、そういう気持ちが大事ではないかと思っております。
    ○議長(蛇口原司君) 平沼健君。 ◆8番(平沼健君) ありがとうございます。 森林・林業の振興というものは、やはりすぐ結果が出ません。宮古市の計画でも10年間の計画ですが、10年と言わず、2年でも3年でも短縮して、これがクリアできるような形をぜひお願いをして私の質問を終わります。ありがとうございます。 ○議長(蛇口原司君) 三上敏君。 ◆3番(三上敏君) 平沼議員の質問に関連いたしまして、若干お話しさせていただきます。 ただいま平沼議員からのお話の中にもございましたが、当地方の森林を一手に背負っているのが宮古地方森林組合でございまして、赤字団体でございましたけれども、宮古市から利子補給をいただき、先般はまた高性能機械の補助をいただきまして、現在、累積赤字も徐々に解消しつつある現況でございます。三、四年前から単年度の決算を見ましても 1,000万円以上の黒字を計上しつつ、厳しい環境の中で経営をいたしております。本当にありがとうございます。 そこで、今の質問の中で、かつて私も森林の問題を取り上げました中にあって、宮古市が閉伊川流域の上流部に涵養林を増施したらどうかという提言をいたしました。全国各地でもそういう傾向がございまして、ただいま平沼議員のお話のとおりなんですけれども、今般の林野庁の累積赤字が大変な国の問題にもなっております。さしずめ営林署の統廃合、そしてこの間は国有林を一般に売り出した経緯がございます。しかし、買い手がつかなかったと、こういう現実でございます。当管内の営林署ではそういう話は聞いておりませんけれども、こういう時期にこそ国有林を安く払い下げていただいて、市の涵養林、いわゆる宮古地方の水を守る、それから海を守る、空気を守る、多種多様の総合的な恩恵をもたらしております森林を造成する最大の今がチャンスではないかと、そう思うわけです。これはぜひとも長期的な視野立ってて、国有林野の経営の実態というのはにわかに解消し得ないと思います。私も管内の流域の理事さん、あるいは議員さん方ともよく交流をしているんですけれども、私たちが盛岡に行く閉伊川街道は、これは伐採されていないところがすばらしい景観で残っております。ところが実際裏山に入ると見事に伐採して、丸坊主山なんだそうです。私も腹帯の奥は見ましたけれども、あとはまだ見ていませんが、とんでもない伐採をしておりますので、皆さんが見ればびっくりするはずですと、こういうことを聞いておりますので、今の平沼議員の提言の中の趣旨も生かしまして、市長さん、頭の中に涵養林の確保というものをやって、全体の森林の質を高めるという意味からもお願いしたいと思います。 以上、お願いをして終わります。 ○議長(蛇口原司君) 次に、7番、沢田勉君に質問を許します。             〔7番 沢田 勉君登壇〕(拍手) ◆7番(沢田勉君) 平成10年9月定例議会において、質問通告により質問いたします。 私は簡潔に質問いたしますので、簡潔に誠意ある答弁をお願いいたします。 農業集落排水事業についてお伺いいたします。 都市計画区域内においては、公共下水道が実施されております。また、漁家の多い地域には漁業集落環境整備事業が導入されておりますが、農村地域には農業集落排水事業が導入されておらないのはご承知のとおりであります。農村地域は、いま住宅の建設が進み、排水施設のないところでの家庭排水地下浸透方式が多く、入居して数カ月、甚だしいうちは1カ月ほどで浸透しなくなり、周囲にあふれ、悪臭で環境の悪いところで生活をしているのが実情でございます。また、農業用水路家庭排水が流されている地域もございます。 そこで私は、この事業を導入すべきと思いますが、市当局に計画があるのかないのか。あるとするなら、おおよそ何年度を予定しているのかお伺いいたします。 再質問は自席よりいたしますので、よろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(蛇口原司君) 松田産業振興部長。             〔産業振興部長 松田辰雄君登壇〕 ◎産業振興部長松田辰雄君) 農業集落排水事業についてお答えいたします。 農業集落排水事業につきましては、農業用水などの水質保全を図るため、総合的な対策を講ずる必要があることから、農業振興地域内の集落を対象に昨年度、農業集落排水総合対策実施計画を策定したところでございます。この実施計画では集合処理区域個別処理区域の仕分け、集合処理区域の範囲などの設定などを定めるとともに事業費を試算したところでございます。その結果、集合処理区数は15区、処理人口が1万 340人で事業費は 162億円が見込まれております。各処理区の事業実施順位は、農林水産省の採択基準、審査基準を参考に処理人口1人当たり、1戸当たりの事業費、1戸当たりの管路延長、農家比率、水質状況などで評価し、事業実施順位の最も高い地区を田鎖・長沢処理区と判定したところでございます。 この田鎖・長沢処理区は、田鎖、花輪、寺沢、折壁、大野、長沢4から6の集落を範囲とする地域で、処理人口は 2,270人でございます。この地域は近年、住宅の混住化や兼業化が進み、生活雑排水による農業用水の水質汚濁が進行し、農作物の生育障害、農業用用配水施設の機能低下など、農業生産環境に悪影響を及ぼすとともに汚水の滞留、悪臭、蚊やハエの発生源になるなど生活環境へも支障を来すようになってきており、農業集落排水施設の早期整備が望まれる地域でございます。 しかしながら、農業集落排水施設の整備に当たっては、ご案内のとおり1戸当たりの宅内改造費約90万円、事業費の受益者負担金を加えますと 100万円を超える個人負担が出てまいります。また、農業集落排水事業公共下水道とは異なり、すべての受益者の事業同意が必要なことから、実施予定地域との合意形成と推進体制づくりが必要になってまいります。また、同地区で本年度から県営で進めている中山間地域総合整備事業の圃場整備などにも受益者負担があることから、受益者の資金づくりを進め、中山間総合整備事業、漁業集落環境整備事業等の進捗状況を総合的に判断しながら実施時期を決定してまいりたいと思っております。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 沢田勉君。 ◆7番(沢田勉君) ただいまの答弁、ありがとうございます。やっと農村地域にも光が差してくるのかなという感じがいたしております。そこで同じ質問になりますけれども、市長さんのお考えもお伺いしておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。 ◎市長(熊坂義裕君) お答えいたします。 ただいま松田産業部長から答弁させていただきましたけれども、私もこの地域の下水道整備につきましては必要性を十分に感じておりまして、できることなら早期に整備したいと思っております。ただ、いま答弁にもありましたように、多額の費用がかかるということと、それから市の今の財政状況もございますし、こういった状況を勘案しながら、既に計画はあるわけでございますので、実施時期というものを考えていきたいと思っております。いずれ努力をさせていただきたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 沢田勉君。 ◆7番(沢田勉君) どうもありがとうございます。 岩手県の汚水適正処理構想を見ますと、本年度を環境創造元年と位置づけて汚水処理整備の普及を推進し、西暦2010年度末までには汚水処理施設の利用率80%を目標として事業を展開する構想があるようでございますので、市当局の一層のご努力をお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(蛇口原司君) 次に、21番、永浦奎輔君に質問を許します。             〔21番 永浦奎輔君登壇〕(拍手) ◆21番(永浦奎輔君) 私は、本9月宮古市議会定例会に当たり、質問通告に従って質問をいたしてまいります。 第1の質問は、農業振興と冷害、災害対策についてでありますが、その1つ目の質問は、今年度から宮古、下閉伊地区でピーマン、リンドウの主産地化を目指すとして、それぞれ20haずつに向けた取り組みがなされているところでありますが、私は今回の質問ではピーマンについて質問いたす次第であります。 この春、宮古市内に導入されたピーマン向けのハウスは13棟で、その面積は18a、従来からのものが52棟で、その面積は52.5a、ハウスの合計では65棟、70.5aとなっており、また路地栽培は54.5aとなっていて、ピーマンの総栽培面積は 125a、農家戸数は35戸となっているところであります。 この春、ピーマンの苗を植栽し、収穫するまでの間、栽培農家の皆さんの収穫収入に対する期待は大きいものがあったと思いますが、いざ収穫し、出荷してみたら期待したほどの価格にならない状況で、8月に入ってからの価格は一段と厳しさを増しているのであります。 通常6段階、そのほかに箱詰め、ばら詰めのものもありますから8段階になると思いますけれども、6段階のALあるいはAM、AS、BL、BM、BSの等階級のうち比較的価格の安定しているとされるAMについて見ますと、6月から7月27日まで50円であったものが7月31日以後は40円を割り、今日では20円台まで落ち込んでいるときもある状況でございます。これが一番高く売れる等階級のAMのものですから、他のものは申し上げるまでもなく、非常に低価格になっているところであります。 この低価格のものに加えまして、次に申し上げる、何とかして1つでも2つでも改善をできないかと思われるものに8項目に及ぶものがあります。その1つ目は市場手数料、これは 8.5%の手数料となっているのであります。それから系統手数料というのがあります。 2.3%。次には農協手数料 3.0%。そのほかに運賃というのがありまして、関東方面ですと1箱 132円、東北地方ですと1箱93円。それから選別料、1コンテナ20円。資材代、1袋4円、1箱の場合ですと 200円。そのほかに回転出資金 0.3%。さらに自主基金、1袋4円、1箱で換算すれば 200円というものがあります。 この8項目のうちの幾つかを改善すること、しかしながら、これだけでは農家の安定収入にはほど遠いものがあると考えるものであります。したがいまして、市独自の価格安定対策として、例えば価格保障制度的なもの等の導入を図り、農家のこれに対する意欲をなくさせないようにしてはと考えるものでありますが、この点についての市の考えをお聞かせいただきたいものであります。 2つ目の質問は、冷害と水害等による農業災害が心配され、その対策が問われていることについてでございます。 冷害について見ますと、稲作を中心に起こっており、平場でもかなりの影響が出ているところであります。また、特に沢田などにおいては収穫が皆無に等しいと思われるところがたくさんあるように感じられます。この冷害に追い打ちをかけたのが長雨、そして大雨であります。既に初日の4日に報告がありましたが、76haに及ぶ田畑冠水被害は、稲作はもとより野菜等にも深刻な影響を及ぼしているところであります。 以上のようなことから、私は市においては異常気象対策本部等を設置して、直ちに万全の対策をとるべきと考えるものでありますが、当局の考えをお聞かせをいただきたいと思うのであります。 次に、大きな質問の第2番目でございます。林業振興についての質問をいたすところでありますが、先ほど平沼議員からの質問にいろいろと答弁がございましたので、簡潔に質問をいたす次第でございます。 その1つ目は、地元木材のこれまでの動向と今後の見通しについて、取引量及び価格等全般について、これまでの取引とこれからの見通しについての具体的な数字についてのみお伺いをいたしたいのであります。 その2つ目は、特用林産物のこれまでの動向と今後の見通しについて、例えば椎茸など菌たけ類、あるいはまたクルミ、栗等、あるいはまた最近ですとヤマブドウ等の木の実の類などの主要なものについて、宮古市としてこれまで取り組んできた状況と、今後どういう形でこうした特用林産物を本当に強めていくのか。 宮古市は、ご承知のとおり兼業農林業漁家等もたくさんあるわけでありますので、こうした複合した形の経営が望まれるところでありますので、それらの点も含めまして、この点についてお答えを願いたいのであります。 次に、質問の大きな3番目でございますが、水害対策について質問をいたします。 具体的な質問に入る前に、今度の長雨、大雨のため被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、災害防止のために不眠不休で奮闘されました消防関係者、市職員の方々、携わった市民のすべての方々に対して心から厚く御礼を申し上げる次第であります。特にふれあい公園の芝草の泥の排除は、枯死させ1,500 万円の損害をつくるかどうかの瀬戸際に立たされておりましたが、環境保全課の職員一丸となった土日返上の5日間に及ぶ泥除去の奮闘によりまして、無事に見事にこれらの芝草は枯れることなく生還しており、重ねて厚く御礼を申し上げる次第であります。 さて、この水害問題につきましては、7日の一般質問で既に3名の議員の方々が取り上げてまいりましたが、私は地域的にはダブるところもありますけれども、もっと踏み込んで具体的解決策を含めた質問と提案をいたしたいと思うのであります。 まず第1に大きなくくりとしてお伺いしたいことは、市の水防、水害に対する計画は抽象的な表現にとどまっており、具体的内容になっていないのが特徴であります。したがいまして、今回の長雨、大雨被害の道路や田畑への冠水被害、建物等の裏のがけ崩れ等、災害に対する対策が見えてこないのが実情であります。今回の被害調査に私どもが入って感じたことは、現地を見ますと改善できるものがたくさんあるということであります。そうしたことを踏まえまして、具体的質問に入る前の質問として、計画、対策の具体的な、そして抜本的な見直しが必要ではないかと思い、この点についてまず最初にお伺いをいたす次第であります。 次に、具体的な問題について幾つか質問いたしたいと思います。その1つ目は、赤前地区及び津軽石地区の道路、田畑への冠水を防ぐ対策、住家、被住家等建物に対する災害防止対策について、また根市地区の国道106 号線上への冠水防止対策について及びその他についてお伺いするものであります。 まず、赤前地区から駒形、藤畑地区の問題の解決についてでありますが、次の点を実行することによって解決できると私は思うのであります。 その第1は、運動公園の中にある用水路に水流緩和と海水の逆流防止を目的につくられたと思われる工作物があり、この高さ分上流部の水かさが増す仕組みになっており、これを解消するため工作物を除去することがまず1つあります。 第2番目には、県道重茂半島線を横断する形で2本の幹線水路が宮古工業高校方面に通っています。農業作業道とこの幹線水路の交差する部分がヒューム管で横断しているために断面が狭められ、水の流れを非常に悪くしているのが特徴となっており、このヒューム管をボックス型、つまりは箱型のものに変えること。断面が大きく現在の水はけの3倍ぐらいには十分なる、そういうふうに思うのであります。 第3には、幹線用排水路の手入れが悪く、よしを初め草が繁茂しており、また加えて土砂の堆積のあることから水の流れが抑制されているので、これを解決すること。 第4に、ヒロセ電機株式会社宮古工場の上手の沢やため池から大量の水が流れ出し、農業用水路を伝わって幹線水路に一気に入るため、あふれ出してしまう現象があり、あふれた水が次の幹線水路に入り、それも飲み切れずに畑や側溝、市道を伝わってお店屋さんの前付近にあふれ出すのが特徴となっています。したがって、もう1本幹線水路的なものをヒロセ電機宮古工場の前を通り、運動公園方面に通水できるようにすることがこれらの解決になると思うのであります。 以上の4つの点を解決することによって、当面、冠水、浸水等の被害をなくすことができるものだと思います。同時に、根本的には、さきに挙げた4つの点とあわせまして強制排水、いわゆるポンプアップ施設整備を下流部の水門付近に新設し、くみ出すことになれば、全面的に解決できると思うのでございます。これらの点についての市当局の考えをお聞かせいただきたいのであります。 参考までに申しますと、津軽石の町場の方につきましては、県で設置いたしましたポンプアップ施設が稼働いたしまして、今回は一切水の心配がなかったのでございますので、この点もお含みの上で答弁をいただきたいのであります。 同時に、降雨の都度問題になっているのが駒形地区せせらぎ団地の水害、浸水等の問題でありますが、この解決のためには、津軽石さけ孵化場の前にある幹線水路につなげる排水路の新設が強く求められていると思います。これが実現すれば、先ほど申し上げたポンプアップ施設等を実現しながら藤畑地区や駒形地区の水害等の災害をなくすことができるものと思いますが、この点についてもあわせてお伺いをするものであります。 次に、根市地区の国道 106号線の冠水防止対策についてでありますが、新しくできたガソリンスタンドの閉伊川の下流部分からの逆流による冠水がその主たる原因でありますから、堤防を延長して国道 106号線に接続するようにすることによって、この問題は解決されるものであります。その際、堤防を大型車両が交互交通できるように拡幅強化をすること。そして強制排水、ポンプアップできるよう施設整備を行うことが大事だと思うのであります。 盛岡から宮古市に至るこの間において道幅が狭く、しかも大雨が降りますと、この1本しかない 106号線が交通どめになったことがしばしば過去においてあるわけでありまして、こういう幹線道路はそんなに全国的にもないと思うのであります。したがって、これらの解決をするために今申し上げたように対策をとっていただきたいと思いますが、これら対策についてどのように考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。同時に、県では従前は遊水地ということで話をしているようでございますけれども、今日では遊水地という内容には既にならない状況にもなっておりますので、あらかじめその点は現地を見ながら県との話し合いの際には強く申し上げていただきたいものと、このようにつけ加えておきたいと思います。 次に、がけ崩れ等についてでありますが、今回の長雨、大雨による被害によって避難者11世帯36名と報告がありましたが、被災した現地を見て思ったことは、事前に何とかならなかったのかなと思える箇所がそのほとんどでありました。既に家が建っているわけですから、お願いするとか、指導を強めるしかないかと思いますが、改善していただかないと大雨の都度関係者が大変な思いをするので、一層の改善の要請をしていただくこと。新築する場合の許可に当たっては、基準を厳正に守っていただきたいこと。また、小宅地造成の場合にも同様に厳正に行うよう指導していただきたいこと。この小宅地造成の問題につきましては、山野目議員さんのところで起こった問題等、3日ほど非常に厳しい状況に置かれまして、法ノ脇でございますが、不眠不休で活動なされ、最後には長沢産業さんのポンプアップを導入してようやくしのいだという問題もありますので、現実にそういう問題も起こっておりますので、こうした方々を苦しめないように、ひとつ指導を厳正に行っていただきたい。このことを申し上げておきたいと思います。 以上申し上げましたが、これらの点について答弁を求める次第であります。 なお、再質問は自席から行わせていただきます。(拍手) ○議長(蛇口原司君) 松田産業振興部長。             〔産業振興部長 松田辰雄君登壇〕 ◎産業振興部長松田辰雄君) まず最初に、農業振興と冷害、災害対策についてお答え申し上げます。 ピーマンの価格安定対策につきましては、宮崎、茨城などの主産地県の出荷時期と重複を避けるため、ハウスでの促成栽培による出荷調整や、夏の昼夜の温度格差の大きい気象条件を生かした良質のピーマンづくりが必要であることから、生産技術の向上のための研修に取り組んでいるところでございます。また販売価格が著しく低落した場合に生産者の経営に及ぼす影響を緩和するため、岩手県青果物価格安定基金協会の県単青果物価格安定事業に加えて、1袋 150グラム当たり40円の価格を保障する独自の価格安定事業を実施するため、平成10年8月4日に岩手宮古農協、関係市町村などで構成する宮古地方野菜価格安定基金協会を設立したところでございます。 リンドウにつきましては岩手県が全国一の出荷量で、ご案内のとおり安代町が主産地でございますが、当地域は安代町に比較して春、温暖な気候条件下にあることから早生品種を中心に栽培し、安代町の出荷時期よりも前に出荷できるよう栽培技術の確立を図る必要があり、技術指導に力を入れているところでございます。 また、価格保障対策につきましては、当面1本当たり21円33銭を保障している岩手県青果物価格安定基金協会の花卉価格安定事業を活用していきたいと思っております。 次に、7月中旬以降低温、日照不足による農作物の生育状況と対策についてお答えをいたします。 水稲は早生品種のかけはし、タカネミノリを8月25日、27日に調査した結果、不稔歩合が10%から30%程度あり、減収率が0%から20%程度と予想されるほか、中生品種のあきたこまちの出穂時期にばらつきが見られることから心配をしております。今後の対策として、いもち病の防除を徹底し、適切な刈り取り時期を指導するなど、関係機関と一体となって進めてまいりたいと思います。 野菜は、日照不足から病害の発生や品質低下が見られておりましたが、徐々に収量も回復しております。飼料作物は、長期の天候不順により干牧草の刈り取り、収納におくれが目立ち、良質粗飼料生産への影響が心配されます。今後、サイレージ調整も取り入れて、刈りおくれないよう指導を強めてまいりたいと思います。 水害については、8月31日、9月1日の調査の結果、花原市、老木、田鎖など閉伊川流域や津軽石の地区の一部で約76haの田畑が冠水し、農作物への被害が発生し、被害額は約 5,600万と推定しているところでございますが、農業改良普及センター、農協、農業共済組合と協力して、当面、病害防除の徹底と水害技術対策を指導してまいりたいと存じます。 次に、林業振興についてお答えを申し上げます。 宮古木材流通センターの本年の取り扱い実績は、8月末現在で 6,152m3で 8,384万 6,000円、前年の8月末と比較いたしまして取り扱い量で70%、取り扱い金額で58%の水準となっております。穀当たりの平均単価は3,785 円で、前年の 4,697円と比較し 912円低く、20%安の大変厳しい状況となっております。関係者によれば、このまま推移すると昨年の取り扱い数量1万 3,900m3と比較して70%前半の1万m3台に乗せることができるか心配しているという状況でございます。 また、製材業者によれば、杉丸太は価格が安く、加えて赤松丸太は需要がなく、依然として低迷が続いており、素材、立木とも買い入れを控えており、現在わずかに公共事業の建築に納材している状況と聞いております。これらご案内のとおり国内状態が低迷状態にあり、住宅建設が依然として前年を下回る不振が続いているためであり、今後の住宅投資も雇用、所得環境の悪化や先行きの不透明感から低調に推移すると見込まれておりますが、政府の総合経済対策による木材需要の拡大や住宅関連減税の実施による住宅建設の回復に期待しているところでございます。 当市で生産されている特用林産物は、シイタケ、マツタケ、ワサビ、木炭、マイタケがございますが、平成8年度の生産量は乾シイタケで31t、生シイタケで82t、マツタケ 0.6t、ワサビ4t、木炭25t、マイタケ0.2 tとなっており、平成2年度を基準に伸び率を見ますと、乾シイタケで15%、生シイタケで60%の増加を示しているほか、マツタケ、ワサビ、木炭、マイタケはいずれも減少しております。 シイタケにつきましては、議員ご承知のとおり気象条件に左右されないシイタケづくりを推進するため、この間、ハウス、散水、被覆施設の整備を進めてきたところであります。生産者の高齢化が進展する中で生産量が増加していることは、この間の取り組みの成果であろうと思っております。本年の乾シイタケの市況は、平均単価 4,000円台前半で推移しており、上物については 6,000円から 8,000円台の値がついていることから、より一層の品質向上に向けた取り組みを強めるとともに、長期的、安定的に原木を確保するため原木林の造成にも力を入れていく予定でございます。 マツタケの生産量は平成2年度 3.6tから3tも減少しておりますが、生産量は気象条件に左右されるものの、アカマツ林の伐採や荒廃も原因かと思います。当市では平成6年度に重茂地区にマツタケ発生環境試験林を整備したところですが、引き続き試験結果を観察し、よい結果が出た場合は本格的な事業実施の検討を進めてまいります。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 鈴木総務企画部長。             〔総務企画部長 鈴木英夫君登壇〕 ◎総務企画部長(鈴木英夫君) 水害対策についてのがけ崩れ関係についてお答えを申し上げます。 宮古市におきましては土地崩壊による災害を予防するため、毎年度宮古地方振興局の土木部及び宮古警察署と合同で土地崩壊の発生が予想される箇所の調査を実施しているところでございます。この調査結果に基づきまして、危険住宅の関係者には文書により周知をするとともに、防災意識の高揚を図っているところでございます。宮古市内には急傾斜地崩壊危険区域の指定地区が20カ所あり、このうち急傾斜地危険箇所として50カ所、108 世帯となっております。急傾斜地崩壊対策事業の実施や建物の解体移転等によりまして、前年度より14世帯少なくなっております。今回の大雨によりまして指定区域外の箇所においても災害が発生していることから、危険箇所としてパトロールを強化するとともに、関係機関等と協議しながら危険箇所の解消に努めてまいりたいと考えております。 また、今回の大雨災害の教訓を踏まえまして、宮古市地域防災計画、水防計画等の見直しなどにつきましては、関係機関とも協議の上検討を進めてまいりたいと考えております。 以上、答弁とさせていただきます。 ○議長(蛇口原司君) 伊藤都市整備部長。             〔都市整備部長 伊藤行雄君登壇〕 ◎都市整備部長(伊藤行雄君) 赤前地区の冠水対策については、一昨日、千束諭議員のご質問にもお答えしたところでございますが、当地区での冠水の主な原因でございますが、降雨量に比較して水路断面が部分的に小さなところがあったこと、流水系統が特定箇所に集中していたこと、そして満潮時において海水が滞ったこと等が考えられております。今後、流水系統の全面見直しと水路断面の改良とともに、満潮時の逆流を防止するため抜本的な強制排水施設の整備が必要と考えますが、当面の対策といたしましては、現水路のしゅんせつと道路横断暗渠等の清掃を進めてまいります。 また、津軽石川上流部に位置する藤畑地区のせせらぎ団地については、住宅団地の地盤が周辺より低く、近くに水路がないことから水の逃げ場がなく、また津軽石川が増水した場合は伏流水として逆流することなどから、大雨のたびに道路冠水が発生する場所となっております。このことから地区内2カ所に強制排水用のポンプを設置してございますが、雨量が多いときは排水が間に合わない状況となっておりますので、今後ポンプの大型化などを検討してまいります。 次に、根市地区での冠水でございますが、これは閉伊川の堤防が根市地区の下流部で途切れていることから、閉伊川の水位が上がると必然的に道路及び宅地、畑などへの冠水が発生する状況となっております。このことは堤防建設当時、閉伊川の増水時に当地区を遊水地的に利用する目的があったものと考えられます。現在は宅地化が進み、また主要幹線道路が走る地区でもあり、住民の安全と交通の確保を図らなければならない地区であることから、今後、河川管理者である岩手県と相談してまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 永浦奎輔君。 ◆21番(永浦奎輔君) ただいまは、それぞれ答弁を丁寧にいただいたものと思っておりますが、まず最初にピーマンの問題から再質問をさせていただきます。 ピーマンについては、先ほどの答弁は非常に簡単なように聞いておりました。実際に取引をやられているサイズといいますか、それらについてのどういう形の値段になっているかということを一言申し上げますと、8月に入ってから、いろいろあるんですが一つ、二つ申し上げますと、例えば8月13日にはALというのがありますが、これは31円、ASが18円、BLというのが25円、BSが13円等々になっているわけであります。それから8月13日、同じ日ですがAMというのが20円、BMが14円、そういう状態になっています。通常であればAMというのが一番値段がいいわけですが、8月の場合はばらつきがありまして、50円のときもあれば今しゃべるように20円のときもあったようでありますけれども、いずれにしましてもこういう価格になりますと、先ほど壇上で申し上げましたように13.5%ですか、手数料を3つ足しただけでそれぐらいの手数料が取られるために資材代その他引きますと手取りがほとんどない。逆に下手すると手元から出さなければならない状態も生まれるという内容が見受けられます。 したがって、そうした点を考えますときに、せっかく主産地化を目指す宮古市のピーマン栽培でありますし、今年度から始めて期待を持って農家の人たちが取り組んできているわけでございますので、これがもとでやめたというふうにならないような方策を緊急に持つ必要があるということで質問をし、取り上げてきたところでありますので、こうした点では先ほど部長は答弁の中で、宮古地方の方々で組合をつくって下支えをする制度を設置したということをおっしゃっておりましたが、これは全県プールの形で40円を割った場合、しかも9月以降についてのみ値段がそういう状態の場合に支えていこうという施策ではないかと私は勝手ながら解釈しているのでございますが、その内容についてもっと詳しく知らせていただきたいということと、同時に、もう少し私たち宮古市も当然ハウス導入等については補助金を出していますから、こういう観点からも実は値段のいいピーマンをどのように量を多く生産できるかというのが1つは問われていると思うんです。そうした点では、全部の規格があったら全部に該当するように出していればそれでいいのかということも一面あると思うので、そうした点では当局においても農協等あるいは生産者と三位一体となったいろいろな研究というか、品種も含めて、どのようにすれば一番値段のいいのを安定的に収穫できるかというあたりの研修を常時毎月のように、なれない方々もたくさんいると思っておりますので、そうした点も含めてやっていかないと、じり貧になるような思いがしてならないのであります。だからといって、いま景気が悪い、売り上げが収入として入らないという状態だからやめますというわけにいかないのが現状です。したがって、そういう面でのさまざまな取り組みについて研究、検討がなされているのであれば、そういった点も含めてまずもってお聞かせをいただきたいのであります。 ○議長(蛇口原司君) 松田産業振興部長。 ◎産業振興部長松田辰雄君) 価格安定につきましては、県全体の部分が8月1日から10月31日という形になってございます。これは東北地方でございます。それから、自主的な価格安定の部分については9月1日から10月31日と、若干出だしが自主的な部分はずれてございます。それで、県全体の価格安定基金協会は保障基準額が 203円、ここまで保障すると。全体的に金額を見ますと、例えば平均販売率 150円としますと53円の差がありますが、その80%、県基金協会で42円40銭まで。それから、自主的な保障の方では 266円までということで、これも1袋に直すと40円までの部分を保障しますと。それから、県の方は30円45銭と、ここで9円55銭の差がございます。この部分を自主的な基金で保障していこうということになってございます。 それから、先ほど手数料等確かに所得率が非常に落ちるということで、これは今年度手数料等が決まったわけではございませんので、既存農家、既に当然に農協等との合意形成がなされて、そのような市場手数料なり出荷なりがなっている価格、このように思っておりますので、なかなか行政でこの部分の改善というのは難しいかと思っております。 ○議長(蛇口原司君) 永浦奎輔君。 ◆21番(永浦奎輔君) 今お話しの部分で、さっき壇上で申し上げたので、質問に入る前に実は農林課の方にも十分理解してほしいということで、私の方からさっきしゃべったような部分というので、前は市場手数料、系統手数料、農協手数料、運賃の4つがあれが始まる前には取られていたものです。それから、選別料というのは、これは宮古市が導入に伴った助成金等もやっているわけですが、機械を導入したことによって起こったものであるし、それから資材代というのは、今まで個人的に選別して出荷していたものであるから、ほとんど資材代は取られていなかったと。それから、回転出資金というのは出資金ですから、当然後では返ってくるようになってございますけれども、現状は取られた状態にあるということですね。それから、自主基金というのが先ほど来話に出ていた、これが低価格の場合に保障するものというふうに私は理解してございまして、いま申し上げた選別料から4つの部分は新たに今度の機械導入等に伴う手間を省くために導入をして、そのかわり料金はちょうだいするというふうになっているようであります。どっちがどっちかという問題もいろいろあるかと思いますけれども、要するに、これは宮古市としてお話し合いできる部分というのは、機械選別料等については当然宮古市も助成を出しているわけですから、そういうものについてのお話し合いはできるんだと思ってございます。したがいまして、そういう部分についてのお話し合いをやっていただくようにしたらどうかということが1つ。 それから、さっき申し上げて答弁がなかったのでありますが、例えば当市で言えばAMという規格のものが値段が一番安定的でよろしいということになっております。したがって、AMというものを基準にして考えた場合に、この規格に合うものをどれだけピーマン農家の人たちが生産できていくのかということになると思うんです。この点での市当局並びに農協、生産者との三位一体の勉強会等、現在の品種で本当にいいのか、それとも品種のもっといいのがあるのか、それらも含めて研究、検討を重ねて、いずれ農家がつくらなければだめになることになりますので、こうした点では農家の人たちが非常に困っているので、これを救済していくために取り上げているわけでございますので、したがって、そういう点での取り組みの方向についてはご答弁をいただきたい。 ○議長(蛇口原司君) 浦野農林課長。 ◎農林課長(浦野光廣君) お答えします。 確かに永浦議員さんがおっしゃるように、AMの規格品用が出れば一番よろしいわけなんですが、ただピーマンにつきましては今年度始めた方も相当いると。そういう人たちがM、L、S、この判定が毎日毎日の作業ではございますが、なかなかうまくいっていない面も多々あるようでございます。したがいまして、Mでとれるような品質にするために、今後、生産者の皆さんを指導していきたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 永浦奎輔君。 ◆21番(永浦奎輔君) それでいいかと思うんですが、生産者を指導するといってもなかなか難しい問題があります。さっきも申し上げたように13棟が新規導入した方々でありますから、この方々も従前とあわせてやっている方もいるかもしれませんが、安定的に出荷するためには最低でもハウスが2棟以上なければならない、そういう状況でございます。したがって、1棟だけ持っている方では生産が間に合わないという問題もあるようでございますので、そうした点も含めながら考えますと、これからの主産地化を目指すということであれば、今お話があったようにどうしても三位一体の、しかも立派なものを安定的に出していくと。仙台市場については70%のようですし、関東には20%行っているようでありますし、青森市場には10%と、現在はそういうふうになっているようでありますので、こうした市場の値段の動きに対して農協さんの説明によれば、価格の動向に機敏に対応して農家経営を守り発展させると説明書に書いてございましたので、こうした点でぜひタイアップして、農家の安定経営を守り発展させるために力強く指導援助をしながら、ともどもに成り立つようにしていただきたいというふうにこの点については思うので、以上、ピーマンについては申し上げておきたいと思います。 それから、水害対策に移らせていただきます。 特用林産物については簡単に一言触れますと、シイタケ生産林家につきましては今年度も農林水産大臣賞を田代の上坂さんがちょうだいし、在原源七さんが林野庁長官賞、第2位ですね。1等、2等を大きい箱物でとっていることを紹介しながらも、こうした点の特用林産物について、さらなる後継者対策も含めまして努力をしていただくことをこの機会に強く要請をし、いろいろな部分で新たに展開する方に対する助成策等も含めてお願いをしておきたいものだと思っておりますので、この点についてはそれだけにとどめさせていただきたいと思います。 それから水害の問題、がけ崩れ等の問題ですが、この件に関しては先ほど壇上でも詳しく申し上げましたが、いずれにしても赤前地区、藤畑あるいは駒形通りの解決策としては、ポンプアップを最終的には導入して、大きい機械で排水をすれば全く県道にも上がらないし、それから宮古市の道路も冠水しないで済む。それから、稲作についても畑についても冠水しないで済むであろうということは私の調査で明らかでございますので、これについては、あとは逆流を防ぐ方法は水門を閉めておいてくみ出せばいいわけですから、そういう形にすれば解決するものと思ってございます。 先ほど答弁がなかったのでありますが、幹線水路の流水緩和の施設というのが、大水の中で見たので1mぐらいの高さは十分あるのかなと思っていますから、その水の高さがずっと上流部まで影響している状態です。運動公園の中に橋の上の上流部にそういう施設があるんですが、これについては取っ払えば、この間の答弁では潮が上げていたときに冠水したのだということでありますけれども、私が調査に入ったのは30日、31日等何回も行って見ておりますけれども、干潮、満潮は一切関係なしで、すっ飛んでいきます現状で改善さえすれば、そういうことでありますので、これは関係なしに先ほど私が壇上で申し上げたような方策をとれば直ちに解決するものというふうに……。この間ぐらいの雨ですよ、もっと倍ぐらい降ったらどうなるかというのは保障できませんが、少なくとも 300㎜や 400㎜程度の雨であれば、あの県道や市道が交通どめにならなくて済むということは明らかですので、ヒューム管等については清掃というお話でございましたが、そういうみみっちい話ではなくて、箱型のものを直ちに設置することによって断面が大きくなりますから、当然排水に役立つと。下流部の方は水が飛んでいきますので、心配なく改善していただけば、私が申し上げたような点であの地区は完全にできるということでございますので、毎回のように動員かけられて気の毒なんですよね、警察から消防からいろいろな方々が。そういうことのないようにお願いしたいと思います。 最後の方になりましたが、防災課長さんがおいでになっておりますので、今度の水害対策の際にどのぐらいの消防署の本部勤務員の方々と分団員の方々、さらにわかる範囲でその他の方々の出動があり、どういう作業をなさったのか参考までにお聞かせいただきたいのでありますが、大変ご苦労かけてあれでしたが。 ○議長(蛇口原司君) 野澤消防防災課長。 ◎消防防災課長(野澤正樹君) それでは、私の方からは消防団と消防署の出動人員について、あとは自主防災の方々が出ておりますので、その人数についてご報告申し上げたいと思います。 消防団につきましては、8月27日から9月1日まで、延べ分団数にいたしまして 113個分団出ております。人数でございますけれども 1,026名。それから、消防団の作業でございますけれども、消防ポンプ車あるいは小型動力ポンプ等を使ってのポンプ排水作業でございますけれども、これが3カ所ございました。それから、積み土の工法を実施したところが7カ所、それから木流し工法を実施したところが3カ所。そのほかの消防団の活動でございますけれども、分団管内の巡視警戒、あるいは水門の開閉、これは長沢川、閉伊川も同じ、それから津軽石川も川の水位等を見ながら開閉を行っているところでございます。それから、水路の確保等も行っております。これが消防団の活動でございます。署員の人数につきましては、昼夜兼行でやっておりましたので延べ人数は把握しておりませんけれども、現在、消防署の人員が40名でございます。これが昼夜兼行で9月1日まで実施しているところでございます。 それから、自主防災といたしまして私どもが把握しておりますのは、第20分団地域の自主防災が20名出て、水路の確保を行っているところでございます。自主防災については1カ所のみ把握しておりますので、その他いろいろな場面で市民の皆様方が活動しているということは聞いております。 以上でございます。 ○議長(蛇口原司君) 永浦奎輔君。 ◆21番(永浦奎輔君) ありがとうございました。大変ご苦労さまでございました。これからも災害がなければよろしいのですが、あった場合にはひとつよろしくお願いをしておきたいと思います。 同時に、これはきのう教えていただいたものですが、警報等につきましては勝手に消防等から発することは法律上できないということのようでございまして、気象庁が発令したものに限るとなっているそうでありますが、これを趣旨徹底させるために、ただいま気象庁ではこういう警報を発令しているということを広報活動をすることは宮古市独自でもできるということになっているようでございますので、今回の水害等においては残念ながら宮古市では広報活動については一切やられなかったということでありますので、こういう手続を踏んだ形で、気象庁が発表する範囲のものであれば、ただいま警報発令中であり、閉伊川水位は何㎝で非常に危険な状態であるぐらいはしゃべってもよろしいのかなと思いますので、そういう趣旨を徹底しながら防災を進めていくというのも大事ではないかと思う次第です。新川町その他の地域の方々から、そういうことはそういう場合にすべきであるという強い要望も出されておりますので、この際申し上げておきたいと思います。 最後に、がけ崩れ等の問題ですが、今回、高浜あるいは小山田その他いろいろあるわけでございますが、比較的新しい住宅等に見受けられるところもあったりしていますけれども、どういうわけか90度以上裾の方が崩れるたびに真砂土を削り取るために逆勾配のがけになっているところも見受けられています。したがって、当然崩れるべくして崩れているなという感じを受けたところも結構あるんです。ですからそういうことのないようにということになるのか、いずれ指導を強めるしかないという話を承っていますけれども、何回もそれぞれの関係者がその場所に動員をかけられるというのも気の毒な話でありますので、ぜひひとつその点の改善策については、なお一層ご当局において努力をしていただくことを強く要望しておきたいと思います。 以上をもって終わります。 ○議長(蛇口原司君) 暫時休憩いたします。             午後2時38分 休憩             午後2時54分 再開 ○議長(蛇口原司君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 27番、大久保博君に質問を許します。             〔27番 大久保 博君登壇〕(拍手) ◆27番(大久保博君) 9月定例議会に当たり、質問通告に従い3点ほど一般質問させていただきます。 まず第1点目、旧宮古病院跡地についてであります。 当該土地利用に関しては、長年にわたり市民の関心事であり、また駅前再開発、末広町商店街活性化の点からも、この土地の持っている可能性は全市的においてもその影響力は無視できないものと考えております。最近、旧宮古病院跡地をめぐる状況が新しく動き始めているとのことであります。市当局はこのことに対してどのような見解を持ち、どのように対処していくのかお聞かせいただきたいと思います。 第2点目、都市景観についてであります。 戦後の日本の都市計画において、諸外国に比べて一番おくれているのが町並み全体をその町の文化に基づいた1つのイメージで統一する都市景観の考え方であります。京都の例をとってみても、神社仏閣には世界遺産にも指定されるほどの建物及び都市景観があるにもかかわらず、商店街居住地を含めた全体の町の景観はヨーロッパの片田舎の心和ませる景観に残念ながら劣っているものと私は考えております。 もちろん、この我が宮古に現状において都市景観をすぐに統一するということは性急で無理があるのは十分に承知しておりますが、将来、我々の子孫のためにも宮古の都市景観について具体的かつ一定の指針の策定に向けて動き出すべきではないかと思いますが、市当局のお考えを聞かせていただきたいと思います。 続いて第3点目、観光振興についてであります。 宮古の振興を観光面からとらえたとき、その波及効果から見て、あと 100万人の市外からの観光客を迎えることができれば、私は市の基本的な課題は大体のところ解決すると考えております。 宮古の観光の特性は、この宮古の地理的特性に負っているところが大であります。盛岡からの時間距離を考慮した場合、宮古の観光を通過型より滞在型に移行させるためには、あとわずか二、三時間、浄土ヶ浜以外滞留していただける観光施設があれば、その目的は大体果たすことができると考えております。その点からも、この二十数年、宮古の観光に対する戦略は余り変わってはいないと考えております。 今、日本全体を見回してみても、時代に合った観光を提供することができた場合、数年で30万から40万、物によりますと 100万を超える観光客の誘致に成功しておるものもあります。私は観光が持っているこのように結果が早く出る産業の特徴を改めてこの場で指摘したいのであります。 以上の観点から、他市からの30万人ぐらいの観光客数を具体的な目標とする幾つかの観光事業を打ち立てる観光戦略を提案したいのであります。市当局の考えをお示しいただきたいと思います。 なお、再質問は自席にてさせていただきます。(拍手) ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。             〔市長 熊坂義裕君登壇〕 ◎市長(熊坂義裕君) ただいまの大久保博議員のご質問にお答えいたします。 私からは、まず旧宮古病院跡地に関する新しい動きと、それに対する宮古市の見解と対処についてのご質問にお答えいたします。 まず、当該跡地に関するこれまでの経過の概要を申し上げたいと思います。当該跡地につきましては、宮古郵便局局舎の老朽化、狭隘化に伴う移転新築用地として、平成2年12月に東北郵政局長から岩手県医療局長に対し譲渡依頼があり、平成3年3月、県は郵政局に譲渡する決定をしております。当市といたしましても、地域振興の観点から早期建設に向けて地元としても協力してまいりました。しかし、当該跡地にかかわる岩手県等を被告とする境界確定等請求事件が提訴となり、跡地の譲渡手続が進められないで現在に至ったところでございます。 このような中で、去る6月26日、盛岡地方裁判所におきまして原告の請求を棄却する旨判決が下り、控訴期限終了と同時に判決が確定したところでございます。早速、県医療局では東北郵政局に対し買い受けの要請を行ったところ、新局舎建設計画は改めて本省との事業計画承認等の協議が必要なことから、土地の取得は平成12年度を目途に行うという回答があったと伺っております。 また、私が9月1日、東北郵政局長に対し新局舎の早期建設を要望いたしましたところ、コミュニティー的施設の併設、設計の事前協議など市と連携を図りながら建設計画を進め、早期建設に努力するという好意的なお話をいただいたところであります。 当該跡地は駅前周辺市街地整備の重要な拠点であり、また商店街活性化の観点からも新局舎の早期建設を強くこれからも働きかけてまいりたいと思っております。 以上、答弁といたしますが、なお、都市景観並びに観光振興につきましては担当部長より答弁をさせます。 ○議長(蛇口原司君) 伊藤都市整備部長。             〔都市整備部長 伊藤行雄君登壇〕 ◎都市整備部長(伊藤行雄君) 都市景観についてお答えします。 景観形成は先人から受け継いだ美しい景観を守り育てるとともに、新しい価値を加えながらより一層すぐれた景観となるよう創造し、新たな都市づくりにおいても美しい景観が形成されるよう努め、次の世代に継承していくべき極めて大切な取り組みであるとされております。景観といっても農村景観、都市景観などさまざまありますが、これらを包括した形で景観条例として制定する自治体がふえております。当市においては平成8年3月に宮古市景観形成基本方針を策定し、景観形成施策を進めているところであります。 以上が一般的な景観形成の意義及び施策の状況でございますが、都市景観につきましては総合的なまちづくりの取り組みの中で検討されて、初めて魅力ある都市景観の形成が可能であると言われており、日本における都市計画では、このような総合的なまちづくりについての視点が欠けていたことは議員ご指摘のとおりであります。 この反省に立って、現在では国を初めとして全国的にさまざまな動きが出ております。その1つは、道路づくりなどの開発を前提としたハード中心の考え方から、身近な生活、環境、産業、そして景観といったいわばソフトも重視する考え方への転換であり、2点目は、計画事業を進める場合の市民参加のあり方として、地権者中心から市民全体の参加への移行であります。3点目に、地方分権の動きであります。従来の全国一律のマニュアルやメニューで進めていた方式から、総合的なまちづくりを市町村の創意工夫のもとに策定する都市マスタープラン策定の義務化への転換であり、都市計画決定に当たっては市町村の決定権限の拡大や道路整備についても従来の自動車交通量のみの整備基準から歩行者や住民など人の満足度を中心とした評価基準に変わりつつあることであります。 以上の動きを前提としまして、当市のまちづくりに大きな影響を及ぼすことが予測される三陸縦貫自動車道宮古道路が新規着工準備箇所に決定されたことを踏まえて、第6次宮古市総合開発計画の前期計画期間終了年度であります平成12年度までの3カ年で宮古市の都市マスタープラン、いわゆる総合的なまちづくりに取り組んでまいります。 このマスタープランづくりは、市民と行政が共同で土地利用のあり方と交通量の変化を前提とした道路網の骨格、さらには都市計画の3点を作業の柱とし、あわせて地域課題の中で大きなテーマとなっております中心市街地についても検討して、我が町への愛着と誇りを持つようなグランドデザインを描いていく作業であります。 都市景観を含めたこれらの作業を進めていく上で、多くの市民の方々に参加していただくことが大前提であり、具体的な市民参加のあり方も検討してまいりますことから、議員各位のご理解とご協力をお願いいたしまして答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 松田産業振興部長。             〔産業振興部長 松田辰雄君登壇〕 ◎産業振興部長松田辰雄君) 観光振興についてお答えを申し上げます。 宮古市への平成9年度の観光客の入り込み数は 123万 1,000人で、このうち宿泊客は36万 7,000人、日帰り客が86万 4,000人となっております。岩手県観光統計によりますと、宮古を訪れた観光客の1人当たりの消費額は宿泊費、飲食費、お土産品代など合わせて平均1万 2,500円で、その総額は 154億円となっております。観光客が消費したお金は、商品の仕入れや従業員の給料など再生産の経済活動に使われ、最初に消費したお金がなくなるまで最低3.27回転という公式により試算しますと、実に 500億円を超える金額になります。これが1年で回転すると仮定しますと、市内全産業の純生産の40%と大きな比重を占めることになります。 このようなことから、市といたしましては観光を基幹産業と位置づけ、その振興に努力してきたところでございます。近年、観光の行楽の内容が従来の物見遊山型から体験型へと移行していることを考えますと、どのようにして観光客のニーズの多様性に対応した滞在滞留型の観光づくりを推進するかが大切であり、事業の実施に当たりましては、これらのことを十分認識した上で自然公園施設への整備やイベントを実施しているところでございます。具体的には姉吉キャンプ場、自然歩道夜間光案内板の設置などの施設の整備とともに、昨年に引き続き行われた三陸鉄道の仙台乗り入れの直通列車の運行や、本年度初めて宮古市及び周辺の観光地を周遊するバスの運行などの事業にも取り組んできたところでございます。 また、海の町宮古らしいイベントとして定着してまいりました夏祭りサマーポートフェスティバルや秋祭り、海の記念日カッター大会やサーモンハーフマラソンに代表されるスポーツイベント、さけ祭りや産業フェスティバルなどの物産振興、冬場の観光としての魚彩王国など年間を通じて行われる数多くの事業とともに、宮古港海戦 130年を記念した事業などの新しいイベントもあわせ、議員のご提言のようにそれぞれ観光客の入り込み数を目標設定し、達成に向けて努力するとともに、実績を分析検討し、次の施策に反映するなど効果的、効率的に実施してまいりたいと思います。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 大久保博君。 ◆27番(大久保博君) それぞれ答弁ありがとうございます。質問順に従って再質問をさせていただきます。 まず、旧宮古病院跡地なんですが、早々市長さん、動いていただいたということで、この場をかりまして感謝申し上げます。それで、あそこの場合は壇上でも申し上げましたが、駅前再開発、それこそ末広町の商店街の活性化、いろいろな意味で大きな影響力を持つのは自明の理であります。それで今の時点、郵政省というのは念頭にあります。ということは、やはり宮古市のできるということは構想の段階でお願いするという、そういうことだと思います。今の時点から、仮に平成12年だとして逆算しても、できればあそこの旧宮古病院跡地をどのように市民の皆様が使いたいのかという、そういう調査とか民意というか、それを集約するような私は組織づくりにも入った方がいいのではないかと思っています。それは1つ例を挙げれば審議会でもいいんですけれども、そして審議会で関係ある方がいろいろな議論を闘わせて、そこで議論を集約して、またトップセールスの得意な市長さんを先頭にして郵政省に働きかけるというような形が私はいま考えられる理想的な形だと思うんです。そういうことで市長さん、そこのところいかがでしょうか。 ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。 ◎市長(熊坂義裕君) お答えいたします。 あの場所は市のこれからの振興にとりまして非常に大事な場所だと思っております。そういった意味で、いま議員がおっしゃったように、できる限り市の意見も取り上げていただきたいというふうに思っております。ただ、これは県の土地でありまして、県と郵政省が取り交わすということでございますので、どこまで私どもの意見が通るかわかりませんけれども、先日、9月1日に東北郵政局長並びに施設部長にお会いいたしまして、そのときに私もこのことにつきまして、できるだけ郵便局らしくない郵便局をつくっていただきたいと。それで人がなるべく集まれるような、先ほど答弁でコミュニティー機能というお話を申し上げましたけれども、そういったことも加味した、余り従来の郵便局のイメージにとらわれないような形での建設をお願いできないかとお話ししてきました。郵政省といたしましても、いま各地で新しいいろいろな形の郵便局ができておりまして、十分にわかりましたと。それから、これから計画するに当たりましては市民のご意見もお聞きしたいということもちょうだいしてまいりました。 ただ、先ほど言ったように県と郵政省の間で取り交わすことでございますので、そこに余り強力に建設そのものに対しての注文というのはかなり難しいものもあるのではないかと思っておりまして、できる限り議会の先生方の意見も承りながら要望という形で伝えてまいりたいと思います。 いずれにしろ非常にいい形でいま進んでいるのは間違いない事実でございます。 ○議長(蛇口原司君) 大久保博君。 ◆27番(大久保博君) よろしくお願いします。 次に、都市景観について再質問させていただきます。 先ほどの部長さんの長期的な考え方に関しては了とするものであります。私はただ、今の時点で都市景観、宮古市ができるものがあると考えております。それは公共建築物であります。いま思いつくまま挙げてみましても、例えば小山田には海をテーマにしたシーアリーナがあります。そして花輪の小学校、多分チロル風というのか、そういう立派な建物があります。また千徳小学校はちょっと古くはなりますが、あの千徳小学校は白鳥をモチーフにしております。それぞれ立派な公共建築物でありますが、いま私が挙げたとおり、共通のテーマというか、持っているテーマは全くばらばらであります。これは今の日本においては自治体がつくる公共建築物がばらばらで建築されるということは、これは日本において全く普通です。常識です。ただ、大変おこがましい言い方になりますが、これは諸外国、特にヨーロッパではあり得ないことです。そこが私が都市景観に関して認識を改めなければならないと考えていることであります。 例えば、先ほど市長さんの言葉からありましたが、今後予想される宮古市が発注する公共建築物、例えば重茂がありますし、また千徳デイサービスがあります。私はこういう公共の建築物は、少なくとも宮古の文化がどこかで反映されなければならないと思うんです。全く同じものを建てろとかそういうことではありません。それが都市景観の私は第一歩だと思っております。 隗より始めよという言葉があります。私は先ほども壇上でお話ししたとおり、いま急に宮古の都市景観を、例えば外壁を同じにしろとかそういうことは申すことはないんですが、隗より始めよ、つまり公共建築物からは、私は少なくとも宮古に文化がありますから、その文化のどこかを反映させるような、どこかで統一のテーマを私は持つべきだと思うんです。何回も言いますが千徳のデイサービスも、これ以後いろいろ公共建築物が出てまいります。そこのところのお考えをぜひ市長さんにお伺いしたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。 ◎市長(熊坂義裕君) お答えいたします。 先ほども平沼議員にもお答えいたしましたけれども、これからつくる建物、今までももちろんいい建物がございますけれども、これからつくる建物につきましても、後で本当にいいものをつくったなと言われるような建物にしていきたいと思っております。近々、設計がいま進んでおりますけれども、重茂の体育館、それから千徳のデイサービスセンターに関しましては、そこに使いやすさと同時に宮古らしさというものを入れられないかなと思っているわけですけれども、例えば木材を多用するとか、あるいは統一的な宮古らしさというのは、ちょっと私も言葉で言うのは非常に難しいと思うんですけれども、将来、何十年かたったときに建物のイメージが宮古らしい建物だと言われるような統一イメージですか、そういったものもやはり考えていかなくてはいけないのではないかと思っております。 各市で、例えば私は弘前に14年住んでおりましたけれども、あそこの建物は前川國男先生、京大の教授のグループが統一的なコンセプトでつくった建物がほとんです。今になりまして非常に町にしっくりいくというか、前川國男建築群という形で残っておりまして、非常に弘前の誇りにもなっているわけですけれども、そういったことがこれからの各都市には必要になってくるのではないかと思っております。ただ、もう設計も進んでおりますので、どこまでそれができるかわかりませんけれども、そういうのを将来的には例えば宮古市として考える、あるいは宮古市として専門家の意見を取り入れながら全体の景観をどうするかというような、専門家のアドバイスを受けられるようなことも必要なのかと思っております。 それから、宮古らしさということですけれども、私はほかから移ってまいりましたので、宮古の町並みというのは非常にいいものがたくさんあると思っております。例えば商店街の中に右側に通路がありまして、裏庭まで通じるような、そういう家がたくさんあるわけですけれども、恐らくあれも県内あるいは東北地方でも余りない建物ではないかと、それがたくさん残っているわけですから、そういったものもこれから宮古独自の建物という形で大事にしていきたいと思っております。それから、鍬ヶ崎にも遊郭の建物が2つばかりまだ残っているわけですし、また蔵も残っておりますので、そういったものを早期に検証いたしまして、建築学という立場からもなるべく残せるような、そういったことができないかとも思っております。 ○議長(蛇口原司君) 大久保博君。 ◆27番(大久保博君) 大変丁寧な答弁をありがとうございます。いま市長おっしゃいました弘前の例を出されたんですが、私は町並みというのはただ単に物体ではなくて、例えば市長さんもそうだと思うんですが、弘前を思い出したときにやっぱりそのイメージが出てくると思うんです。そういう意味で町並みというのは極端に心に入ってくると思っています。もう少しオーバーに言えば、祖国愛にも通じるものがあると思うんです。例えば第2次世界大戦のときに、ほとんどの国の町並みが全部つぶれました。もちろん日本もそうですが、ヨーロッパもそうです。ヨーロッパは一番先に何をやったかというと、まず、前の写真のとおりに、昔のままに先に町並みを再建したんです。つまりそれが彼らにとっても祖国愛の一番、食べるよりも何よりもまず町並みをそのまま復活させたという……。私はただ単に物体ではなくて、人間の心にかなりしみ入るものだと。また、子孫という言葉を使いましたが、子孫がいつまでも宮古に愛着を持って暮らせるというか、そういう心の部分も含めて、ぜひ町並み景観ということにご配慮いただきたいと思います。 最後になります。観光振興のところで再質問をさせていただきます。 私は 100万人という言葉を壇上で申し上げました。これは当てずっぽうでしゃべっているわけではなくて、滋賀県の長浜という町が5万 6,000人、ほとんど宮古と同じ規模の町であります。この町は観光地ではありませんでしたが、黒壁というガラス工芸を中心とした観光づくりをしまして、いま百二、三十万でしょうか、もう少しいっているかもしれませんが、そういう成功した町であります。ここを私がいつも注目しているのは、あそこの百何万というのはかなり信用ができるデータだからであります。 100万人来たときの長浜市に観光が寄与した影響力を考えたとき、やはり同じ宮古、人口5万 6,000人弱、やはり 100万人を目指していけば、例えば財政も含めてある程度重立ったところは解決するのではないかというのが私の趣旨であります。 具体的にもう少し観光客を宮古に入れ込むために少し質問させていただきたいと思うんですが、まずセンターであります浄土ヶ浜に関してです。昨日も出たんですが、私は浄土ヶ浜は車両の乗り入れは全面的に許すべきだと考えております。といいますのは、あそこが車両を全面禁止にした一番大きな理由は、やはり排気ガスが松とかの植物に影響を与えるんだというのが大上段に構えた理論だったはずなんです。でも、はっきり言いますが、私は間違いだと思っております。赤松とかあそこにある草花が排気ガスで枯れるというのは絶対あり得ません。私は二十数年前、東京の環状7号線の横に四畳半でしたが住んでおりました。環状7号線の車両というのはとんでもない通行量であります。浄土ヶ浜が仮に全部車両を許したとしても、その何十倍のはずです。松の並木がありました。全く枯れません。宮古の松だけが弱いはずがありません。宮古の浄土ヶ浜の松の枯れた理由は、やはりあれは塩枯れだったと思うんです。原因が違っているはずなんです。だからそういう意味で大前提が崩れていると思うんです。 私は浄土ヶ浜というのは全車両昔に戻しまして、通行させるべきだと思います。この理由はもう一つです。今の浄土ヶ浜は、私から言わせれば、かしこまった観光地であります。私はもっと観光というのは雑然とするべきだと思います。昭和30年代の浄土ヶ浜は売店がいっぱい並んで、肩と肩がすれ違うような……、そういう観光地を目指さなければならない。もしそういう形にできたとすれば、私は浄土ヶ浜はもっと観光客が来ると思っております。私はその原因は間違いだと思っておりますので、そこのところのご意見をお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 松田産業振興部長。 ◎産業振興部長松田辰雄君) あそこの乗り入れはいろいろなことがあって、初日にも答弁をしたところでございます。警察署に身障者の乗り入れの話を要請した段階で、環境問題は考えなかったのか、警察署でもどうせあれなら全面解除すればいいのかなという、本当だかどうなのだかちょっとわからないんですが、そういう話もございました。ただ、従来申し上げてきた環境問題と下に行っての駐車場がないという、極めてスペースがないところに詰め込むという形に……。特に海水浴客が入るときがまた一番来る時期なんですが、その部分の規制ができないと、どうしてもにっちもさっちもいかないと、こういう形で、海水浴客がいる間はそういうことになります。それらも考慮することから、今後も関係機関に申し上げてはまいりますが、夏場の海水浴客の部分をどうするのか。全面解除して、その部分だけまた規制するというのは非常に難しい、観光地として問題を抱えておりますので、今後そういうことで検討してまいります。 ○議長(蛇口原司君) 大久保博君。 ◆27番(大久保博君) 大変ありがとうございます。駐車場は確かに私も念頭にありますが、先ほど私が雑然としたという言い方をしました。私は路肩駐車でいいと思うんです。それでこそ観光地のにぎわいが演出されると思っております。もちろん通行する人の安全とか、それは一等最初に考えなければなりませんが、そういう意味で浄土ヶ浜に何とか昔のにぎわいを戻したいという、そういう思いで浄土ヶ浜に関しては質問させていただきました。 あと30万人、大変数字の遊びに思われるかもしれませんが、30万人の事業を3つつくれば 100万になるわけです。私がいま日本のある程度成功しているところの観光客数を全部調べまして、今の宮古で当てはまるのは3つあります。まず閉伊川の両側に土手があります。あそこを4月から9月の間に1つの花で埋め尽くしたとすれば、私は30万、40万の観光客が来ると思っております。例は、山形県の日本海側に菜の花だけで埋め尽くした場所があります。あと一番有名なのは富良野のラベンダーです。そういうことで閉伊川の両岸のあの土手に、私は河川とか詳しいことはわかりませんが、全部1つだけの花で埋め尽くすことができたら、私は宮古に花を見にいっぱい来ると思っております。 その次に、宮古の文化、特に郷土芸能であります。黒森神楽に象徴される郷土芸能、これと地場産業であります水産業、そしてできればこれは田老町でもやれたさけの一本釣りであります。くどいようでありますが。地場産業である水産業、そしてそれらを包含する形のグリーン・ツーリズムであります。このグリーン・ツーリズムの一番の特徴は、今まで観光の恩恵がなかったところにお金が落ちるということであります。宮古の場合、一番都市の特徴として言えるのは、第1次産業、第2次産業、第3次産業が比較的バランスよくこの町はあるんです。これがこの町の特徴だと思っております。逆に言えば、言葉は変な言い方になりますが、宮古には基幹産業が私はないと思っております。でも、なかったために1つの企業が撤退しても、それでも5万6,000 人の宮古はまだまだ都市としての力を保っていると私は考えております。そういう意味でグリーン・ツーリズム、宮古の文化、宮古の地場産業、特に水産業を活用して、ここで30万、加えてこれに三鉄の力を加える。つまり三鉄に、子供さんがいれば皆さんご存じだと思いますが、トーマスの機関車を走らせることができれば、これはまだ日本でだれもやっておりません。もちろん商標権の問題がありますけれども、これは間違いなく来ると私は確信しております。これが2つ目。 3つ目が、市長が長年の夢と語っております出崎ふ頭であります。出崎ふ頭は、これはもう宮古の最大の可能性のある場所であります。一番は、魚市場があそこにございます。仮に魚市場の隣に消費者に直接売れる市場をつくったとしたら、これは例を挙げるなら南紀白浜であります。少しスケールは大きいのでありますが、もしつくったとしたら、南紀白浜は 100万、 200万、 300万という形で観光客がふえております。これはリピーターもすごいです。これは宮古の地理的特性からいっても私はできると思っております。まずこれが1つ。 あと出崎ふ頭は、市長が常日ごろお話ししておりますフィッシャーマンズワーフであります。これは大成功すると思いますが、私は日本のフィッシャーマンズワーフは決して成功しているとは思いませんし、まねを目標とするべきではないと思っております。といいますのは、さきの予算委員会でもお話ししましたが、やはりこれはアメリカのモントレーという宮古ぐらいの町であります。そこで町全体を出崎ふ頭のところにフィッシャーマンズワーフをつくって大成功した町であります。日本のフィッシャーマンズワーフはほとんどの方がモントレーを見ておりますが、肝心かなめのところは学んできていないと私は考えております。私は何としても無限の可能性のある出崎ふ頭を立派にするためにも、できればモントレーに、百聞は一見にしかず、できれば公募で、皆さんが自費で結構ですから、そういう形で1回は行ってみるべきだと思うんです。できれば市長さんを団長にしてですが。私はそういうことで、やはり今の段階ではできるだけ皆さんの目でフィッシャーマンズワーフが成功しているモントレーを視察に行くというのは大変大事なことだと思っておりますが、公募というのはできるかどうか、今までの宮古の歴史にあったかどうか、私はそれはわかりません。ぜひそこのところを市長さんのお考えをお聞きしたいと思うのであります。 ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。 ◎市長(熊坂義裕君) ただいま大久保議員からいろいろと大変貴重なご示唆をいただきまして、感謝をしております。 まず、観光振興についてでございますけれども、私も宮古はいろいろな資源が眠っていると思っております。いま長浜とか南紀白浜の例もお話しされましたけれども、やはりやりようによっては本当に今の倍ぐらいの観光客が来ていただけるようになると思っております。現在でも 120万ですから、いろいろな都市に行きまして120 万の観光入り込み数があると言うと驚かれるんですね、釧路でも80万ですから。ですからそういった母体があるところにプラスしていけばいいわけですから、いま議員からいろいろなアイデアをいただきましたけれども、そういうことを実践していけば、やはりそのとおりになるのではないかと思っております。 岩手県内で言えば江刺市が長浜の黒壁公社からいろいろなことを学びまして、あそこにガラス工芸館とかオルゴール館とかをつくったわけですけれども、そんなに大きな施設ではないんですけれども、相当観光客がふえてきております。だからちょっとした工夫で非常にいい形になりますので、あとはやることが大事ではないかと思っておりまして、今いろいろお話しいただきましたけれども、私どもも一生懸命考えていきたいと思っております。 それから、出崎に関しましては、今までのフィッシャーマンズワーフでうまくいっているところは日本にないと、私もそのように思っております。これが成功するかどうかというのはやはりアイデア次第だと思いますので、例えばモントレーに行くのを公募できないかということがありましたけれども、そういった市民からの募集をして、そして勉強してきて、そしてまた市民の方々から出崎に対しての提案をいただくというのは非常にいいやり方ではないかと思っております。 ちょっと観光とは話が変わるんですけれども、私は秋田県の鷹巣町が福祉の町では全国のトップを行っていると思うんですけれども、なぜトップを行ったかということなんですけれども、あそこは公募の市民団体が都合5回、デンマークの方に行って勉強してきて、そして行ってきた方々が市に提言をして、それを施策に反映してきているということを聞きまして、やはりそういったことも宮古では公募の視察、これは国内でも海外でもどこでもいいんですけれども、そういう先進地を見てくるというのも、そういったものに補助金を出すとしますと、もちろん議会の同意というものが必要になるかと思いますけれども、費用対効果ということを考えた場合に、やはり1つの選ぶべき手法ではないかと思っておりまして、提案いただきました視察に関しましては前向きに考えていきたいと思っております。 ○議長(蛇口原司君) 中野勝安君。 ◆10番(中野勝安君) 大久保議員の質問、意見について援護射撃をいたします。1つだけであります。 浄土ヶ浜乗り入れについてでございます。私も浄土ヶ浜の乗り入れは何としても実現しなければならないと思っております。なぜならば、宮古市というのは観光振興という目的を持って走っているわけです。観光振興ということは観光客を誘致すると、あとは手段であります、ソフトであります。そして立派な浄土ヶ浜があります。その浄土ヶ浜のネックというのは、先ほど大久保議員がおっしゃったとおり、環境の問題、それから道路の問題、駐車場の問題、これが言えると思うんですが、私はこの問題については人間が決めたことでありますので、人間によって解決できると思っております。 というのは、駐車場がないと部長はおっしゃいましたけれども、あそこを見てもらうと野外ステージというのがあります。野外ステージというのは1年に何回使われているだろうか、恐らく皆無だと思うんです。ああいうものを取っ払って、そしてすばらしいスペースがありますから、例えばバスは入れないで乗用車を入れるとか、そういうことも考えられます。それから、道路の問題についても、それは公安委員会、それから環境庁等がありますが、それは行政の強いリーダーシップというか、情熱によってどうにでもできるわけです。そういうことをやって、どうか 120万の方がほとんど浄土ヶ浜に行くように、そういうふうにやっていただきたい。現在、宮古市民でさえ浄土ヶ浜に行っていないのが現状です。なぜならば歩かなければいけない。そしてまた実態を見ると、変な名前がついております。奥浄土ヶ浜と。だれがつけたんでしょう、宮古市がつけたんでしょうか。そういうのをつぶさに行政というのは察知して配慮しなければならない。 私の同級生がタクシーの運転手をやっております。嘆いていました。乗せてきますと、あそこのターミナルで写真を撮って、何だ、写真と違うなと言って帰っていったと。浄土ヶ浜は奥ですよと言ったけれども、歩くのは面倒くさいから行かないと、そういう実態もございます。どうかひとつ観光振興というものが大きな目標にあるならば、手段、ソフトというものはそれから考えて実現していただきたい。 それから、最近、英文のパンフレットが宮古市においてできました。その中で浄土ヶ浜のことを大変称賛しております。パラダイス・オブ・浄土ヶ浜、天国の浄土ヶ浜。それからもう一つはメッカ・オブ・浄土ヶ浜。メッカというのは皆さんもご承知のとおり、サウジアラビアにメッカというのがあります。これは年間 1,500万から 2,000万の巡礼者が毎年行きまして、大体半月ぐらい行って巡礼すると。そのために1つの集まるところをメッカという代名詞にしているわけです。だから浄土ヶ浜もメッカというすばらしい代名詞をいただいて、だれがつけたかわかりませんが。そういうこともありますので、まず浄土ヶ浜というものを1つのポイントとして、そこからソフトというものを考えてやっていったならば、これは観光振興に大きなインパクトを与えるし、宮古の標榜する観光振興に大きな光が出てくると思います。どうかこれは息の長い話でありますが、1つの哲学を持って、そして何とか浄土ヶ浜、我々はあそこに20年前、30年前に住んでいてにぎわったことを知っております。これもまた夢をもう一度というようにひとつやっていただくことを要望して終わります。 ○議長(蛇口原司君) 千束諭君。 ◆20番(千束諭君) 先ほどの大久保議員の観光振興についての質問に関連しまして、ちょっと気になった部分もありましたので質問させていただきたいのでありますけれども、私はこれまでにも観光行政の必要性ということはたびたび申し上げてきたのでありますけれども、職業柄どうも我田引水の感があるということから今回は遠慮したわけであります。しかし、先ほどの産業振興部長の答弁の中で、観光産業のもたらす経済波及効果が 500億円に上るやのお話を聞きまして、これは文字どおり宮古市における基幹産業だと、そのようなことからあえて質問させていただくわけでありますけれども、昨年、 123万人の観光客の入り込みがあって、宿泊が36万 7,000人あったと、こういう答弁であります。これは入り込み数に3割を掛けた数字かと思うのでありますけれども、ここであえてお聞きしますけれども、36万 7,000人の宿泊客が昨年あったという信憑性といいますか、これは私はキャパシティから見て到底不可能な数字だと、私はこのように思っていますが自信ありますか、公言できますか、ちょっとお答えください。 ○議長(蛇口原司君) 宇都宮商工観光課長。 ◎商工観光課長(宇都宮満君) 観光客の入り込み数につきましては、正確にカウントした数字は施設に入り込んだお客さんを除いてございません。これまでの観光客の入り込み数の推計は、例えば宿泊客ですと、そこの施設、ホテルとか旅館等においでになったお客様等をもとにして、前年度の資料並びに交通機関等をご利用になったお客様等、これらの人数からこれまでの過去の例を勘案をしながら、やや推測としてはじき出された数字の部分もございますので、必ずしも正確とは申しませんが、関係業界の資料を集めまして推計をした数字でございますので、確かに実態と離れているという議論はお聞きしたことはございますけれども、業界からの資料に基づいて計算をした数字でございますので、ご理解をいただきたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 千束諭君。 ◆20番(千束諭君) まさに予想どおりのご答弁でありまして、これは入り込み数に至っては実態というのは不可能に近い。しかし、泊まりの客数については、これは宿泊施設に照らし合わせたり、あるいはそうすることによっていとも簡単に数字は出てまいりますので、これは課長さん、約束していただきたいのでありますが、やはり公の場での公表でありますので、実態に合っていればいいのでありますけれども、それがまるきり違うということになりますと、これは大変な問題になりますので、早急にデータを策定していただきたい。 それから、もう一つでありますけれども、先ほど大久保議員がグリーン・ツーリズムの話をしました。田老では先ほど言われましたように本州では初のさけの一本釣り、あるいはあわび、うにの体験、それから隣の山田町ではシュウリ貝を使ったいろいろなものをつくっています。これの体験施設を今度つくるんです。それから、釜石、大槌では振興局と民間が組んで、そしてグリーン・ツーリズムのツアーを今度募集しています。新聞にも載っています。私は6月の議会でもグリーン・ツーリズムのことを言ったんですけれども、確かに私は呼ばれました。産業振興部長と担当3課長、私を含めて4人でグリーン・ツーリズムを話し合ったんですけれども、これは言いたくないのでありますけれども、私は建設的な話し合いだったとは思っていません。まさにグリーン・ツーリズム対策をしたというよりは、まさに千束対策をしたんだなと、本当にそのようにさえ思うわけであります。 それで、今の時点で本当にグリーン・ツーリズムあるいは体験漁業あるいは体験農林漁業、広い意味でも今のお考えと見通し、本当に腰を上げるのかどうか、その辺をぜひお聞かせいただきたいと思います。商工観光課長にお願いします。 ○議長(蛇口原司君) 宇都宮商工観光課長。 ◎商工観光課長(宇都宮満君) お答えをいたします。 確かに千束議員さんを交えまして意見交換をさせていただきました。そのときの結論としては、年内に方向性を示して、11年度に立ち上がらせたいということでご確認いただいたと思っております。現在、私どもはグリーン・ツーリズム、つまり体験をできる商品をいろいろと探してといいますか、調べている段階でございます。先般も崎山の縄文土器をなさっている方のところへも行きまして、グリーン・ツーリズムに快くご賛同いただきまして、これからも協力をしたいという旨のお話をいただきました。そういったものを漁業の分野でも農業の分野でも可能なものをまとめまして商品化していきたいと、このように考えているところでございます。もう少し時間がかかると思います。 ○議長(蛇口原司君) 千束諭君。 ◆20番(千束諭君) そのようなことで、もう少し時間を与えたいと思いますので、年内にはそういう動きが実を結ぶようにお願いをして終わらせていただきます。--------------------------------------- △散会 ○議長(蛇口原司君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。 お諮りいたします。 議事の都合により明10日は本会議は休会にいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(蛇口原司君) ご異議なしと認めます。 よって、明10日は休会とすることに決しました。 本日はこれをもって散会いたします。             午後3時45分 散会...